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トップメッセージ

未来を担う若手による長期経営構想「Vision2033」の実現に向け、経営者として覚悟を持って取り組みます。

厳しい事業環境においても増収を達成

代表取締役社長 巻野 徹

2022年度(2023年3月期)は、原材料・エネルギー価格の高騰、施工員不足など厳しい状況が続きましたが、適正価格による受注・販売などから売上高は前期比9.1%の増収、利益面では営業利益で同3.4%の増益を確保できました。

当社グループは2023年度(2024年3月期)を最終とする「2023中期経営計画」を策定し、コロナ禍前の利益水準への早期回復を目指し営業利益30億円の達成を掲げて取り組みを進めていました。しかしながら、事業環境はロシア・ウクライナ情勢がもたらした混乱による不透明な状況が続き、2023年度の連結業績予想は売上高400億円、営業利益19億円を見込んでおります。

緊縮型から積極投資型へ経営方針を転換

当社グループは2000年10月の発足以降、赤字体質からの脱却と収益基盤の構築に向け着実に歩んできました。営業利益率は2013年度の1.8%から2020年度には7.4%と大きく改善し、その方針に誤りはなかったと考えています。しかし、コロナ禍に見舞われて3年目となった2022年、これまで通りのやり方を続け、市場の縮小均衡に合わせて小さくまとまるだけでは急速に変化する社会から取り残され、やがて淘汰されてしまうという強い危機感のもと、新たな活動へと踏み出すことを決意しました。

具体的には、従来の財政健全化を重視した緊縮型の経営方針を見直し、事業拡大による企業価値の向上を目指す積極投資型へと切り替える転換期を迎えたと判断し、新たな長期経営構想の策定に向けてプロジェクトを立ち上げました。グループの未来を担う若手メンバー約20名が集まり、自分たちの事業を見つめ直し、あるべき未来の姿とそこへ至る戦略的道筋について半年余りにわたり集中的に議論を交わした結果、とりまとめたものが、10年後のありたい姿を描いた「Vision2033」です。

2033年度に売上高1,000億円、売上総利益率30%の達成を目指す

長期経営構想「Vision2033」では、私たちのありたい姿を「地球の未来を創造(CREATE)」する企業グループとしました。これは「事業領域の拡大と、強みとするグループ力の結集によるイノベーションで“心躍る価値”を提供する企業へと生まれ変わり、持続可能な未来を創造していく」との決意表明です。

今後は、①既存の2事業について、事業価値の再定義により「建設・建材領域」「産業インフラ領域」「環境領域」という3つのドメイン展開へと移行し、新たなビジネスモデルを構築する、②環境領域の事業化、事業のサービス化、ワンストップサービスモデルへの変革を推進、③2033年度におけるM&A売上高増加180億円を目標に積極投資を実行、④新製品・新事業を創造する研究開発機能の進化を加速、⑤グループ内工場におけるスマートファクトリー化を推進─などを基本方針に、2033年度に売上高1,000億円、売上総利益率30%、営業利益率10%の達成を目指します。

ビジョンの具現化に向け、10年後のありたい姿をバックキャスティングした中期経営計画として、1st Stage:挑戦と変革(2024~26年度)、2nd Stage:成長(2027~29年度)、3rd Stage:創造(2030~33年度)の3ステージを設定しました。まずは最初のステージとなる次期中期経営計画を策定し、売上高500億円、売上総利益率25%を目指して環境領域の早期事業化と事業のサービス化に向けた取り組みを開始します。

また、中長期CSRビジョン(CSR2030)については、「Vision2033」に基づく取り組みの中で見直しを行い、サステナビリティ課題への取り組みと成長戦略を相乗的に推進していく予定です。

10年後のビジョン実現に向けてソリューション力を高める

新しいビジネスモデルの確立に向けて、従来の受注型から提案型へビジネスの転換が不可欠であり、そのためにお客様の課題を的確に捉えて提案につなげるソリューション力の向上が鍵になると考えています。

特に、新たなソリューションビジネスとして期待されるのが、畜産業向けに開発した、鳥インフルエンザを防疫する散布型除菌剤「ヨドックス粒」の展開です。除菌効果が持続し、自然由来で動植物にやさしい等のメリットから農業にとどまらず公園や動物園など幅広い分野での課題解決・提案が可能と考えており、長期ビジョンに掲げる「環境領域の事業化」に向け拡大を図っています。

サステナビリティを継続的な活動とするために「自分ごと化」を模索

サステナビリティについては、サステナビリティ推進委員会を中心にESGのテーマ別に掲げた目標の達成を目指し施策を推進しています。当期は、環境では㈱エーアンドエー大阪で環境配慮型の大規模改修を開始し、社会では、在宅勤務の試験導入など働き方改革を促進する諸制度の整備を加速しました。またガバナンスでは取締役会の機能向上を図る運営の改善、内部通報システムの充実・強化を継続的に進めています。

一方、サステナビリティを全社レベルで継続的な活動と捉え、成長戦略との融合を実現するには「自分ごと化」が不可欠と考えており、人事評価へのESG指標の導入や研修制度の抜本的な変更も検討中です。

「Vision2033 策定プロジェクト」のメンバーは、仲間と真剣な議論を繰り返す中で大きく成長しました。当初、消極的であったメンバーがプロジェクトをリードし現場においても生産性向上に貢献したと聞き、改めてその効果を実感しています。マニュアル化された研修で同様の効果を期待するのは難しいかもしれませんが、常に濃密な議論の機会を提供できる研修スタイルを模索したいと考えています。

2023年度はマネジメント力が試される重要な年

2023年度は、「Vision2033」につながる重要な一年です。

今回の策定プロジェクトでは、改めて若い従業員がグループの未来に夢を持っていると知り、大変嬉しく思いました。今後、グループの舵取りにあたっては、従業員の夢を実現できるよう着実にリードしていくことが、マネジメントとして最大の使命だと考えています。

私を含め現経営陣は、様々な場面で強い意志、説得力など組織を動かすための資質・覚悟を試されることになるでしょう。従業員の皆さんとしっかり対話しながら、前へ進んでいきます。今後とも、ご理解・ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

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